橋梁の伸縮装置や目地部において、防水性と耐久性を確保するためにバックアップ材は欠かせません。

しかし、バックアップ材の選び方をよく知らない人も多いです。

この記事では、知っておきたい公的ルールや素材の特徴、現場に合った正しい選び方を分かりやすく解説します。

この記事はスポンジ加工メーカーとして、60年以上の歴史がある富士ゴム産業が執筆しています。

監修:技術責任者 牧野

橋梁におけるバックアップ材の重要性と役割

ジョイントや遊間の防水性と追従性を支える

橋梁には、気温変化などで伸び縮みするための隙間(遊間)があります。

この隙間を埋めて、雨水やゴミが入るのを防ぐのが「シーリング材」です。

そして、このシーリング材が正しく伸び縮みできるように下から支えるのが「バックアップ材」です。

シーリング材の厚みを均一に保ち、防水効果をしっかりと長持ちさせるために欠かせない土台です。

三面接着を防ぎ二面接着を確保する

シーリング材を長持ちさせるには、左右の2面だけにくっつける「二面接着」が基本です。

もし底にもくっついて「三面接着」になると、引っ張られたときに無理な力がかかって破れてしまいます。

バックアップ材を底に敷くことで、シーリング材が底にくっつくのを防いでくれます。

これによって左右だけにしっかり接着でき、隙間の動きに合わせてスムーズに伸び縮みできるようになります。

不具合が橋梁の寿命に与える影響

橋の漏水トラブルの多くは、隙間を埋めるシーリング材やバックアップ材の劣化が原因です。

これらが壊れて雨水が入り込むと、橋の内部にある鉄筋が錆びたり、コンクリートがボロボロになったりします。

最悪の場合、橋全体の寿命を大きく縮めてしまいます。

早めに適切なバックアップ材を選んで直しておけば、将来かかる高額な修理費用をグッと抑えることができます。

橋梁用バックアップ材を選ぶ際の3つのチェックポイント

設置箇所の伸縮量と変位追従性

橋の隙間は、季節の温度変化や車の重みで毎日動いています。

そのため、バックアップ材には「縮んでも元に戻る力」が必要です。

動くたびに潰れたまま元に戻らない素材を使うと、隙間ができて水が漏れる原因になります。

繰り返し押しつぶされても、しなやかに元の形に戻る優れた復元力を持つものを選びましょう。

これが、雨水をシャットアウトし続けるための大切なポイントです。

道路橋示方書や各高速道路会社の規格

国のルールである「道路橋示方書」や、NEXCOなどの高速道路会社には、厳しい安全基準が定められています。

例えば、「隙間の深さが何ミリ以上のときにバックアップ材を使う」といった具体的な決まりがあります。

公共の工事では、これらのルールに合った製品を選ばなければなりません。

基準を事前に確認し、合格している信頼性の高い製品を選びましょう。

施工現場の状況に合わせた作業性

橋の補修工事は、夜間などの短い時間で行われます。

そのため、現場での扱いやすさ(作業性)も重要なポイントです。

硬すぎるバックアップ材は、隙間にうまく入らず、作業が遅れる原因になります。

現場の隙間の状態に合わせて、適度につぶれて、柔軟でなじみやすい素材を選ぶことが大切です。

【材質別】橋梁用バックアップ材の種類と特徴

耐水性とコストのバランスが良いポリエチレンフォーム

ポリエチレンフォームは、泡がそれぞれ独立している「独立気泡」という構造をしています。

水や空気を通さないため、非常に優れた防水性を持っています。

軽くて丈夫な上、酸やアルカリといった薬品にも強いのが特徴です。

費用を抑えながらしっかり防水したい場合に最適な素材です。

高い耐候性と耐久性を持つクロロプレンゴムスポンジ

クロロプレンゴム(CR)で作られたスポンジは、とにかく頑丈で長持ちします。

日光(紫外線)や雨風、夏の暑さにも強く、高速道路などの過酷な場所で長く使われてきました。

シート状の大きな素材から、現場のサイズに合わせて自由にカットできるのも大きな強みです。

特別な形をした隙間や、高い耐久性が求められる重要な工事で大活躍します。

複雑な形状の目地に対応するウレタン発泡体

ウレタン発泡体は、泡が網のようにつながった「連続気泡」という構造です。

とても柔らかく、複雑な形の隙間にもフィットします。

バックアップ材自体は水を通す性質ですが、防水は上に塗るシーリング材が担当するため、橋の補修でも問題なくよく使われます。

デコボコした隙間をきれいに埋めて、シーリング材を支えるのに最適です。

バックアップ材スポンジホームセンターでは、橋梁用のバックアップ材にも対応できます。

必要なサイズと数量をご連絡ください。

【設計・施工】バックアップ材のサイズ選定と計算方法

目地幅に対する適切な割り増しと圧縮率

バックアップ材を選ぶときは、実際の隙間の幅よりも「2〜3割太いサイズ」を選ぶのが鉄則です。

隙間と同じ太さのものを使うと、固定されずに奥へ落ちたり、浮き上がったりしてしまいます。

例えば、隙間が30ミリなら「36〜39ミリ」の太さを選びます。

少し太いものを押し縮めて入れることで、壁にしっかり密着し、ズレや脱落を防ぐことができます。

経年劣化による痩せや脱落を防ぐ対策

バックアップ材は、何年も使っていると徐々に縮んで隙間から落ちてしまうことがあります。

これを防ぐには、最新の「シリコーン系」シーリング材と組み合わせるのがおすすめです。

シリコーン系は紫外線に強く、驚くほど柔らかく伸び縮みするため、バックアップ材にかかる負担を劇的に減らせます。

さらにすぐに乾くため、工事中のズレやトラブルも防ぐことができます。

まとめ:確実なバックアップ材選定で橋梁の耐久性を向上

橋を長持ちさせるためには、隙間からの水漏れを防ぐことが最も重要です。

そのためには、隙間の動きや現場のルールに合ったバックアップ材を正しく選ぶ必要があります。

ポリエチレン、ゴム、ウレタンといった素材ごとの特徴を理解し、隙間より少し太いサイズを正しく使い分けましょう。

確実な素材選びと丁寧な施工が、大切な橋を劣化から守り、寿命を100年へと延ばす第一歩になります。

バックアップ材スポンジホームセンターでは、さまざまな材料のバックアップ材をご用意しています。
ご希望のサイズでの製作も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。