バックアップ材は、橋梁工事や住宅建築などで、幅広く使われている資材です。

しかし、素材の種類が多く、どれを選んだらいいか分からない人が多いです。

この記事では、バックアップ材とは何か、主に使用される素材について解説します。

現場ごとに最適なバックアップ材の選び方が分かるので、ぜひ最後までご覧ください。

バックアップ材とは

バックアップ材とは、土木建築現場で目地を埋めるために使用される資材です。

バッカー材や角バッカーとも呼ばれています。

ここでは、バックアップ材とは何か解説します。

住宅用バックアップ材

住宅用のバックアップ材とは、外壁の目地を埋める目的で使用される材料です。

バックアップ材の上からシーリング材を塗布することにより、充填深さの調整ができます。

バックアップ材がないと、シーリング材が目地の奥まで入ってしまいます。

しかし、バックアップ材を使用すると底ができるため、適量を目地に塗布することが可能です。

住宅用バックアップ材は、15×15mm・20×20mmなど小さなサイズが多く、長さは1Mや2Mが一般的です。

橋梁用バックアップ材

橋梁用バックアップ材とは、橋梁のジョイント部分に挟み込み、緩衝材として使用する資材です。

住宅用バックアップ材よりもサイズが大きいことが多く、10×10cmや15×15cmほどが一般的です。長さは1Mや2Mで製作します。

バックアップ材に使用される材料とは

バックアップ材は、使用環境や用途に合わせて、さまざまな材料が使用されます。

ここでは、バックアップ材に使用される材料について解説します。

軟質ウレタンフォーム

軟質ウレタンフォームは、台所スポンジのように柔らかく弾力のある素材です。

価格が安いため、大きいサイズが必要な橋梁工事に使用されます。

軟質ウレタンフォームは内部の気泡が繋がっている「連続気泡」なので、水に濡れるとウレタンを通して内部に水が侵入してしまいます。

止水性が必要な箇所には使用できないので、注意してください。

軟質ウレタンフォームの中にも、密度や硬さによりいくつかの種類があります。

もっとも多く販売されるのは、密度16kg/㎥のウレタンNo.1です。

ゴムスポンジ(EPDM)

ゴムスポンジとは、ゴムに薬品を混ぜて発泡させ、スポンジ状にした素材です。

軟質ウレタンフォームと比べると、耐候性や耐オゾン性が高く、屋外で使用してもひび割れなどの劣化が少ないです。

ゴムスポンジには、内部の気泡が繋がっている「連続気泡」と、気泡が独立している「独立気泡」があります。

連続気泡は気泡が繋がっているため、止水性は無く、水を通してしまいます。しかし、ゴムスポンジの多くは半連続気泡となっていて、20%ほど圧縮すると止水性が生まれます。

連続気泡は柔軟性があり、凹凸にぴったりはまる特性もあります。

凹凸部分に使用して、止水性も欲しい場合は、ゴムスポンジがおすすめです。

独立気泡は、内部の気泡が独立しているため、水を通しません。

連続気泡に比べると柔軟性はありませんが、高い止水性や気密性が必要な際に使用します。

使用環境に合わせて、半連続気泡と独立気泡を使い分けてください。

ポリエチレンフォーム

ポリエチレンフォームは、ビート板に使用される素材で、高い止水性があります。

150*150mmなどの大きいサイズには向かないため、住宅用の小さなサイズに使用されることが多いです。

シーリング材と接着しにくいため、容易に2面接着ができ、縮みや歪みが発生しても安心です。

バックアップ材を使用するメリット

バックアップ材は軽量で持ちやすく、復元力のある素材です。

ここでは、バックアップ材を使用するメリットを解説します。

軽量で持ち運びやすい

バックアップ材は内部に気泡があるため、軽量で持ち運びやすい素材です。

例えば、ウレタンNo.1 150*150*2000mmの場合、重量はわずか720gです。

大きなサイズでも軽量なため、高所作業でもかんたんに持ち運べます。

復元力がある

バックアップ材は、スポンジ状に内部に気泡があるため、押して潰してもしばらくすると元の形に戻ります。

細い目地であっても、バックアップ材を潰して内部に差し入れると、内部で復元してぴったりと隙間にはまります。

国土交通省の「公共建築工事標準仕様書」では、住宅用バックアップ材について以下のように記されています。

「裏面に接着剤のついているものは目地幅より1mm程度小さいもの」

「接着剤のついていないものは目地幅より2mm程度大きいものとする」

バックアップ材を選ぶ際の、サイズの参考にしてください。

止水性が高い

バックアップ材は使用箇所によっては、高い止水性を求められます。

水を通してしまうと、壁の内側に入り込んで、カビや劣化の原因になるためです。

軟質ウレタンフォームの止水性は低いですが、ゴムスポンジとポリエチレンフォームは高い止水性を持っています。

まとめ

バックアップ材とは、住宅建築や橋梁工事の現場で使用されます。

住宅建築の現場では、壁と壁の間の目地にバックアップ材を入れて、コーキング材を塗布する際の深さ調整をします。

橋梁工事の現場では、ジョイント部分の緩衝材や空洞部分の穴埋め材として利用されます。

バックアップ材には、柔らかく安価な軟質ウレタンフォームや、屋外での使用に強いゴムスポンジ、止水性の高いポリエチレンフォームなどがあります。

バックアップ材は、内部に気泡を多く含んでいて軽量です。高所作業や高低差のある作業場でも、簡単に持ち運べます。

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